私が勤務していた会社ではQC活動が盛んで、QC大会も開催されていました。今回はその思い出話です。いや、恨み話です。

 

私は大学を卒業すると関西の事務機メーカーに就職しました。

当時は全国的にQC活動が盛んであり、私が入社した会社も例外ではありませんでした。日々全員参加のQC活動をやっており、1年に1回、休日を使ってのQC大会なるものが開催されていました。

 

当時のQC活動は、表向きは自主活動であり時間外を使って無給で行われていました。そして週に1回、定時後の2時間ほどを使ってメンバーが集まります。

 

全員が集まるのは週に1回、2時間だけですが、むろんそれだけでQC活動はやれません。メンバー全員に宿題が出ており、日々の仕事の合間、あるいは定時後にそれをこなして持ち寄るのです。

 

QC活動

 

私の記憶では、時間内にQC活動をやることは暗黙のうちにご法度、基本は定時後だったと思います。しかし、社員の中にはこっそり時間内に作業する者もいました。私もその1人でした。

 

メンバーは同じ職場が原則で、1チーム5人前後でした。それ以上の人数がいる職場は複数のチームに分かれ、2人や3人しかいない職場は他のチームに混ぜてもらってました。

このチーム編成からしてQC活動は自主活動ではなく、実は強制参加の活動でした。自分がやりたいテーマで集まったメンバーではないのです。

 

当時のQC活動は職場で困っていることを改善するのが主目的でした。作業ミスの撲滅、不良の低減、工数の削減などが定番のテーマでした。

 

今考えると、わざわざQC活動のテーマにせずとも、問題に気付いたならさっさと片付けろ、と言うようなテーマが多かった気がします。

すぐやれるテーマをQC活動ありきで1年かけてやっている、そんなチームもざらにいました。

 

QC活動は1年間をPDCAのサイクルとし、その成果を晴れのQC大会で発表するのです。

私が勤務していた工場では本社工場と量産工場が別にあって、1年おきに交代でどちらかの工場に全社員が集まって発表していました。

 

QC大会

 

先ほども言ったように休日の1日を丸っと使った発表会ですが無給です。休日出勤の扱いにはなりません。

ただ、お昼のお弁当は出たと記憶しています。それと電車を使った人には交通費の支給がありました。

 

そして、発表内容を社長以下、管理職クラスが審査員となって審査します。全てのチームの発表が終わると、最後にクライマックスが待っています。

社長から最優秀賞、優秀賞、努力賞の発表があります。受賞チームには表彰状と楯(たて)、それに賞金が出ます。確か最優秀賞は5万円くらいだったと思います。

 

このQC大会には忘れられない恨みがあります。当時私には付き合っていた彼女がいました。お互い仕事が忙しい中、何とかスケジュールを合わせて二人で鎌倉に旅行に行こうと計画しました。

初めての2人だけの旅行だったのです。

 

それが、突然、旅行の日にQC大会が入ってきたのです。今考えるとひどい話です。QC大会は休日を使ってやるのですから、何か月も前から日程を決めて社員へ周知すべきです。

 

おかげで彼女と2人だけの旅行はお流れになってしまいました。当時の社内の空気はQC大会欠席は許されない、そんな強制的なものでした。

 

さて、私にとって恨みのQC大会ですが、当時の社員はどう思って活動していたでしょう。私の知る限り前向きにやっていたのは、ごくごく一部の社員のみです。

 

QC活動の事務局担当者、QC活動推進メンバー、みたいな社員だけが張り切ってやっていました。それも表向きだけかも知れません。本音はどうだったでしょうか。

QCチームのリーダーには誰もなり手がなくて、大抵は係長クラスが若い社員を説得してやらせる、と言った感じでした。

 

まぁ、書けばきりがないほとネガティブな記憶しか出てきません。QC活動で立派な成果を出し、品質の維持向上に役立てている企業も多いとは思います。

しかし、私のいた会社のように、まずは活動ありきで形式だけのQC活動をやっていた会社もあるのではないでしょうか。

 

それに、外部からQC活動を指導してくれる専門のコンサルタントも呼んでいました。定期的に指導を受けてのQC活動だったのですが、どうも根付くまでには至りませんでした。

 

今思うと、QC活動が実を結ばなかった最大要因は、会社が無給でやらせたことです。片手間でやれるような活動ではないにも関わらず、時間内の活動を認めず、残業もつかない。

 

しかし、その成果は会社の利益となって貢献する、これはどう考えても変です。モチベーションが上がりません。

ほぼ全員が仕方ないからやっている、やらされている、そんな空気が充満していました。発表の為の活動であり、データもいい加減、成果もねつ造みたいなチームもありました。

 

不満な社員

 

さて、今現在のQC活動はどうでしょう。2008年にトヨタ自動車が「カイゼン」を業務扱いとし、残業代を全額支払うことに決めたとニュースになりました。

それに追随する企業もあって、時間内の作業を認める、残業代を支給する、といった企業が増えているようです。

 

しかし、未だにかつての私の会社と同じように、QC活動は無給扱い、サービス残業扱い、といった企業も多いのではないでしょうか。

 

「あくまで無給で社員が自主的に行う活動、それがQC活動である」

これはもう通用しないと思うのですが、あなたはどう思いますか?