「品質管理の1日」とはどんな1日でしょうか。どんな仕事を、どんなふうにこなすのでしょうか?

現在、品質管理の仕事をしている人も、これから目指す人もぜひこの記事をお読み下さい。

 

「品質管理の1日」とは?

ある転職サイトのコラムに、「品質管理の1日」と言うタイトルのコラムが掲載されていました。1000文字足らずの短いコラムだったのですが、私はそれを読んで相当強い違和感を感じました。

 

そのコラムを書いた人は品質管理の現場を知っているのだろうかと大いに疑問を持ちました。少なくとも自分が品質管理の実務経験者ならこのタイトルでこの内容は書かないだろうと思ったのです。

 

早い話、そのコラムは「品質管理の1日」ではなく、「検査員の1日」だったのです。コツコツと検査員としての役目を果たすルーチンワークを切り取った1日が書かれていました。

 

しかし、検査員と品質管理担当は違います。品質管理担当者に検査のルーチンワークがメイン業務となるはずがありません。

 

ただ、実際問題としてある種の転職サイトで品質管理の仕事を検索すると検査員の仕事が普通に出てきます。そこでは「品質管理=検査」と言う図式が成立しています。

 

それはどんな転職サイトで見られるかと言えば派遣社員募集や中小企業からの募集が多いサイトです。大企業や中堅企業からの品質管理募集で検査員の仕事はまず出てきません。

 

品質管理について企業ごとの解釈、定義があってもいいのですが、一般的に言えば品質管理と検査は違います。

 

品質管理は検査ではない

では、検査員ではない品質管理の1日の仕事とはどんな仕事でしょうか。20年間製造現場で品質管理の仕事を見てきた私に言わせると、

 

「(品質上の)問題を見つけ、それを解決する仕事。その為にある時は社内に向かって、ある時は顧客に向かってコミュニケーションを図ること。」

これが品質管理の仕事です。決められた検査項目に従って製品の良否判定を行うだけの検査員とは違います。

 

私が見てきた品質管理の仕事にルーチンワークはほとんどありません。品質標準の管理や定期的な品質報告の作成などはルーチンですが、それは品質管理の業務全体からみればごく一部に過ぎません。

そして、そんなルーチン作業は実務経験の浅い、若手の仕事だと言えます。

 

むろん、問題点を見つける、それを解決する、といった仕事そのものはルーチン化されていると言えなくもありません。ただ、過去と同じ問題点が出てくるわけではなく、過去と同じ解決策が有効とも限りません。

 

多くの生産現場では新製品が流れたり、生産設備が変わったり、顧客の特別仕様が入ったりします。品質問題を起こす新なリスクは常に存在します。

 

それでも安心出来る品質を確保する為には異常を見逃さない観察力、解決に向けての論理的思考力、現場へフィードバックする指導力、そして顧客の信頼を得るためのコミュニケーション能力が必要となります。

 

まとめ

「品質管理の1日」

それを書くなら、

「今日も問題点の抽出と、その対策に追われた1日だった。」

こんな感じでしょうか。

 

問題点の抽出にはカスタマークレームのような緊急案件、非常事態案件から、品質監査の指摘、内部の品質チェックでの指摘までレベルは様々です。

むろんリスクマネジメントの観点から、問題を起こす前の予防処置も重要な仕事になります。

 

品質問題と言うのは、それが発見された時点で半分以上解決しています。中には例外もありますが、大抵の問題はそうです。

 

一番怖いのは問題が潜在化したまま生産が続き、発覚したときにはすでに不良品、規格外商品が市場に出回ってしまうことです。

 

品質管理の1日は常に品質と言うアンテナを敏感に働かせ、気を抜くことが出来ない1日だと言えます。