品質管理のコンサルタントになるにはどうすばいいのでしょうか?

品質管理の実務経験を活かして企業に転職するのではなく、独立してコンサルタントを目指したいと考える人もいます。

あるいはコンサルタントを専門に行う法人や企業に転職したいと思う人もいます。

では、いったいどうすれば品質管理のコンサルタントになれるのでしょうか?

興味あるあなたはどうぞ最後までお読み下さい。

 

品質コンサルタントを3年間やった体験談

実は私は会社を辞めた後、3年間だけ品質管理のコンサルタントをやっていました。

プロフィールにも書いた通り、独立行政法人中小企業基盤整備機構の「新現役パートナー」に工場の検査ライン診断・アドバイザーとして登録、3年間活動したのです。

 

当時私がどんな仕事をしていたかと言うと、ざっとこんな感じです。

1.地元を中心に中小企業の工場で品質管理の現場指導を行う。

2.「新現役パートナー」以外の枠組みで大企業の品質管理コンサルティングを行う。

3.品質管理のセミナー講師を引き受ける。

4.品質管理に関する書籍の執筆を行う。

 

上記4項目のうち、1番目と2番目が会社を辞めた後に始めた活動です。3番目と4番目は在職中から行っていました。

言わば副業の形になるのですが、一部は会社の許可を得て活動していました。新規顧客開拓の名目で、会社のPRにもなるからと説得していました。

それが結局、会社を辞めた後も仕事の依頼が続くきっかけになりました。

 

実際、私のコンサルタントとしての収入はそれほど大したものではありませんでした。大口顧客や長期契約の顧客を抱えていた訳でもないし、スケジュールがびっしり埋まるほどのセミナー講師でもありませんでした。

しかしまぁ、3年間はそこそこ稼いでいました。

 

では、私はどうやって品質管理のコンサルタントになれたのか?会社を辞めた後も個人としての私に仕事の依頼が舞い込んできたのか?

それは私が半導体工場で品質管理の仕事をやっていた当時に身に着けた知識、ノウハウに希少価値があったからです。

非常にニッチな分野を専門に20年近く仕事をやっていたおかげで、その分野では知らないうちにかなり専門家になっていたのです。

 

セミナー講師をやっていると一部上場の大企業からも品質管理や製造部門の品質担当者などが受講されます。

そうした大企業の第一線の品質管理担当者を相手に自分の経験してきた知識やノウハウを話すのですが、これが自分でも意外なほどに好評でした。

それでセミナーを開催していた会社から書籍出版の依頼が来るようになったのです。

 

今考えてみると、私が専門にしていた品質管理の分野は色々な業界、業種にまたがるのですが、ノウハウを集積させることが難しい分野でした。

それは主に微細な電子部品の外観品質に関する管理・改善分野でした。そうした部品の外観品質は毎回品質管理の条件設定が変わってしまい、マニュアル化するのが難しい、フォーマット化するのが難しい分野だったのです。

基本的な考え方、方針をしっかり確立させ、後は全て製品に合わせて都度最適条件を設定して品質を安定させると言うやり方でした。

 

さすがに20年近くもやっていると多種多様な現場を体験しているので、セミナーでどんな質問を受けても回答に困ることはありませんでした。

そんな訳で、最初からコンサルタントを目指していた訳ではなかったのですが図らずもそうなってしまったのです。

 

ニッチな分野ゆえに同業者が少なく、セミナーの回数をこなすほどに声がかかるようになりました。書籍の出版も同様でした。

 

品質コンサルタントになるのに資格は要らない!

品質管理コンサルタントに限りませんが、何かのコンサルタントを名乗るのに特別な学歴や資格は必要ありません。

私自身、普通の国立の4年制大学の工学部卒であり、コンサルタントに関する資格など持っていません。

 

むろん、コンサルタントの中には資格を持っていないと事実上仕事が出来ない場合もあります。例えば、法律の相談には「弁護士」、税の相談には「税理士」の資格が必須となります。

これらは法的な規制があるので必須条件となります。

 

あるいは財務や経営のコンサルタントをやるには「公認会計士」、「税理士」、「中小企業診断士」などの資格は必須です。あるいは「MBA」を取得していることも経営学の専門家であることの証明になります。

 

その点、品質管理のコンサルタントは特に必要な資格はなく、顧客に問題解決能力があることを信用してもらえればそれでビジネスとして成立します。

それには何よりもまず実績でしょう。コンサルタントとして過去にどれだけ顧客の問題解決に成功してきたか、それが信用される根拠となります。

 

私の場合も20年近くに渡って数々の大手半導体メーカーや電子部品メーカーを相手に1つの分野をずっと担当していたので、気が付けば膨大な量のノウハウの蓄積があった訳です。

それを私なりに体系化し、セミナーのテキストにしたり書籍として執筆した訳です。だから私としては単に自分の仕事の履歴をまとめただけとも言えます。

 

あなたが品質コンサルタントになるためには?

コンサルタントになる一番オーソドックスな方法は、各種コンサルタントを専門にしている法人や企業に就職することです。

しかし、品質コンサルタントに関してはそんな法人や企業の就職先はあまりありません。経営や財務、生産性向上や人事制度などのコンサルティングを行う法人や企業は多いのですが。

 

大手の転職サイト、例えばDODAやマイナビエージェント、リクルートエージェントなどで探しても品質コンサルタントの求人はまず見つかりません。

高給年収限定のヘッドハンティングサイト、キャリアカーバーで検索してみると7件だけ見つかりました。ただし、全国で7件ですから非常に狭い選択肢です。

ちなみにキャリアカーバーの求人に掲載されている品質コンサルタントはIT関連の業種ばかりです。

 

以上のように法人や企業に就職して品質コンサルタントになるのはかなりハードルが高そうです。

では私のように個人で独立する方法はどうでしょう。前に書いたようにコンサルタントを名乗るのは誰でも簡単です。

しかし、いくらコンサルタントを名乗ってもお客がつかなければ全く稼げません。営業努力が必要になります。

 

私の場合は会社を辞める前から外部セミナーの講師や著書の執筆をやっていたことが大きな営業ツールとなりました。

また、中小企業基盤整備機構の「新現役パートナー」に登録出来たことも大きなメリットがありました。

別に品質コンサルタントになろうと思ってなった訳ではなく、多分に成り行き次第の要素が大きかったのですが。

 

私の場合は前述のような営業ツールがありました。あなたにも何か強力な営業ツールがありますか?あなたの実績を売り込み、問題抽出、問題解決能力を評価してもらうことが出来ますか?

それが可能であれば独立して品質コンサルタントの可能性も出てきます。

 

ただし、どんなコンサルタントでも同じでしょうが、長年続けていくことは非常に難しいです。何が難しいかと言えば、新しい知識、情報、ノウハウを取り込むことです。

曲りなりにも私が会社を辞めた後、3年間とは言え品質コンサルタントがやれたのは20年近い現場経験があったからです。

日本国内の工場だけでなく、海外の工場でも多くの経験を積んできました。本屋に並んでいる品質管理のマニュアルには絶対出て来ない、現場の問題解決事例を沢山経験していたのです。

 

しかし、会社を辞めてしまうと現場からも離れてしまいます。コンサルタントとして客先の現場には入りますが、そこから得られる情報や知識、ノウハウでは到底必要な量や鮮度を確保出来ません。

自分の持っている知識やノウハウがどんどん陳腐化していきます。それゆえ私は3年間でコンサルタントを辞めたのです。

もうこれ以上は無理だと悟りました。

 

従って、あなたが品質コンサルタントとして成功するには営業ツールが必要ですが加えて知識やノウハウを陳腐化させない、新たに取り込むためのツールも必要です。

それは現場との接点を確保するためのツールです。現場を離れたコンサルタントなど何の役にも立ちません。いかに多くの現場を知り尽くしているか、そこがコンサルタントの生命線だと思います。

 

まとめ

以前、『品質管理・品質保証の転職 250人の疑問・不安・悩み』と言う記事を載せましたが、その時調べた250人の質問の中に、

「品質コンサルタントとして独立するためには何が必要ですか?」

と言うのがありました。

通常の品質管理に関する知識の量が多くて、スキルが秀でていてもそれだけでは品質コンサルタントにはなれません。

 

企業にしてみたら、わざわざ外部にコンサルタントを依頼するメリット、理由は何でしょうか?

それは社内では絶対にカバー出来ない問題抽出力、問題解決力を得ることが出来るからです。それをコンサルタントが提供してくれるからです。

 

法人や企業に属したコンサルタントにしろ独立したコンサルタントにしろ、あなただけの付加価値、市場価値が必要です。

あなたにしか解決出来ない分野で勝負すること、これが品質コンサルタントとして成功するための条件です。

 

最後にコンサルタントとしての営業についてひとこと。個人でやれる営業には限界があります。自分から顧客に営業をかけるより、自分なりの情報発信を広げて顧客を獲得する方法もアリです。

 

私の場合、一番最初の品質管理セミナー講師の依頼は会社のホームページを見たイベント会社からのオファーでした。

会社のホームページに私が担当する品質管理のコーナーがあったのです。そこで品質管理に関する様々な私の体験やノウハウを情報発信していました。

たまたまそれを見てくれたイベント会社のセミナー担当者が私に講師依頼をしてくれたのです。これが最初のきっかけでした。

今は個人でも色んな方法で広く情報発信が可能です。あなたも考えてみてはいかがでしょう。